こんにちは、薬剤師のODAです。
今回のお話はニキビの原因とその対処法についてお話したいと思います。
まずニキビの原因は何かといいますと、毛穴の蓋の発生と皮脂詰まりです。
毛穴が古くなった角質で狭くなったり塞がれて、
さらに皮脂がそこに溜まることでニキビが発生してしまうのです。
その対処法としては、
- 皮脂の酸化を起こさせない
- 肌のピーリングを意識する
- ニキビを起こしやすい食べ物に気を付ける
という3つです。
ニキビの発生メカニズムから、
なぜ上に挙げた三つが、ニキビに効果があるのかを、今回はお話していこうと思います!
目次
ニキビの原因は毛穴の蓋と詰まり
ニキビの原因は、直接的にはいわゆる古い角質層がうまく除去されずに、
それが皮脂腺を塞いでしまい、その中で細菌が増殖することです。
ニキビ発生のメカニズム
酸化された角質が
毛穴を塞ぐことで発生
毛穴の中で細菌が増殖する
炎症を伴ったニキビは赤くなる
肌を構成しているのは脂質
ポイントは、古い角質という言葉で、人間はみな、古い角質が発生するはずです。
それでも、にきびができやすい人、できにくい人がいらっしゃると思います。
では、その差はいったい何なのでしょうか?
毛穴をつまらせる原因の一つは皮脂の酸化
果物や野菜をしっかり摂ってらっしゃる方は、肌がきれいなイメージがありませんか?
これは、野菜や果物に含まれる物質が、皮脂を含めた脂質の酸化を防いでくれるからです。
皮膚のラメラ構造の模式図
細胞の壁は、脂質で構成されている
図の黄色の棒が脂質を表す
水色は親水性の物質を表す
角質は図のように層を成している
この角質を構成してる脂質や皮脂は、本来はサラサラの脂です。
しかし、脂質は酸化されるとドロドロになってしまいます。
つまりニキビの原因はこのドロドロした酸化された脂質が、
直接・間接的に毛穴を詰まらせることで発生するのです。
酸化の原因は
まず皮脂腺から分泌される皮脂自体が酸化されるのは、体内です。
体内で脂質を酸化するのが、いわゆる活性酸素です。
活性酸素は、ストレスや睡眠不足、食生活等の乱れで発生しやすくなります。
そのため、ストレスを感じたり、睡眠不足、食生活が乱れると、
ニキビができやすくなるのです。
そして、古い角質の中の脂質を外から酸化するのは、紫外線です。
紫外線による古い角質の酸化が角質をさらに肥厚させ、またニキビの原因となるのです。
皮脂の酸化を防ぐには
つまり、ニキビの発生を防ぐには、まず体内の脂質の酸化をを防ぐことが挙げられます。
酸化を防ぐことというのは、すなわち活性酸素の除去を行うことです。
ここで、活躍するのが実はビタミンEです。
脂質の酸化を防いでくれるのはビタミンE
ビタミンEは活性酸素の「活性」を奪う活躍をするのです。
ビタミンEを多く含む食品
最大の特徴は脂溶性であること
ビタミンEは野菜や果物に多く含有
バランスの良い食事で不足しにくい
少量でも抗酸化作用が発揮されやすい
末梢の血流を良くする作用も持つ
しもやけで医薬品として処方されることも
摂りすぎても体調に影響はない
ビタミンEの最大の特徴は脂溶性であることで、そのために脂質の酸化を防いでくれるのです。
↑酸化されやすいω-3系脂肪酸をサプリで摂る方にもおすすめです
ビタミンCはビタミンEを還元する
面白いのは、役目を果たしたビタミンEは、ビタミンCで再生されることです。
つまり、十分な量のビタミンCを摂取していれば、
少量のビタミンEの摂取で、活性酸素による脂質の酸化を防いでくれるのです。
ビタミンC
酸味のある水溶性ビタミン
抗酸化(還元)作用を持つ
ビタミンEを還元して再生させる
コラーゲンの合成にも必要
不足すると壊血病を起こす
壊血病は大航海時代の船員に多かった
これは船上で野菜果物が不足したため
当時の保存食は塩漬けが基本だった
皆さん、ご存じのように水と油は混じりません。
そのため、脂質の酸化を抑えるには脂溶性のビタミンEが必要となります。
ビタミンEは脂質の代わりに酸化されてしまうのですが、
この酸化されたビタミンEを還元してくれるのが、水溶性のビタミンCなのです。
↑1日1カプセルから試してみてください
つまり、野菜や果物をよく摂取する人は、
ビタミンEとビタミンCが充足していて、脂質の酸化が抑えられているため、
ニキビができにくいというわけです。
ビタミンCを外からも
ビタミンEを還元するために、
皮膚の外からもビタミンCを供与することは無駄ではないようです。
↑外からのビタミンC補給
ちなみに化粧水の正しい使い方は、もったいなくないレベルの物を、
大量にジャブジャブ使うことだそうです。韓国の美容家さんが言っていました。
高い化粧水を丁寧に使っても効果は得られないと。
なので、ニキビが気にならない人は、ハトムギ化粧水を大量に使うのが良さそうです!
↑ODAはポンプ式で湯水のごとくジャブジャブ使っています!
ちなみにハトムギには、ヨクイニンという生薬成分が含まれており、
イボの改善や皮膚の炎症に良いとされています。
ビタミンCのもう一つの役割
ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせないビタミンです。
ちなみにコラーゲンは、人間のたんぱく質の1/4を占めるたんぱく質です。
人間のたんぱく質は、体重の20%程度と言われていますので、
体重40kgであれば、2kgはコラーゲンを持っていることになります。
つまり、肌を構成するたんぱく質の観点からも、
美肌にはビタミンCは欠かせないということが分かりますね!
他にも重要な役割が!
あまり知られていないかもしれませんが、
実は水溶性の抗酸化物質としてとても重要なのが、「尿酸」です。
この酸化された「尿酸」を還元してくれるのもビタミンCです。
「尿酸」は増えてしまうと弊害も多いですが、
ビタミンCがあれば、「尿酸」も一定量で抗酸化作用を発揮してくれるので、
ここでもビタミンCは活躍しているのです。
角質のピーリングでニキビを作らせない
ニキビを作らせない次の手段としては、古い角質を除去するというのがあります。
それをピーリングといいます。料理でピーラーを使うことがあると思いますが、
ピーリングとは、つまり皮むきです。
物理的ピーリング
つまり、物理的に洗うということです。
泡を用いるだけで十分といわれる方もいれば、
タオル等を必要とされる方もいらっしゃると思います。
大切なことは、皮膚よりも柔らかい素材を用いるということです。
ナイロンなどの皮膚よりも固い繊維を用いて洗うと、
皮膚が傷ついて、皮膚症状の悪化につながります。
ODAは皮膚科の先生のご指導で、たっぷりの泡と綿100%タオルを用いています。
背中にニキビができやすい方にはオススメです!
↑タオルはやっぱり綿100%!
ポイントは、石鹸やボディーソープで泡が十分な状態で、
擦っても皮膚が赤くならないことです。
どんな素材でも赤くなってしまうような人は、素手のままが良いかと思います。
素手でも赤くなる方は
素手でも赤くなる場合は、使うボディーソープや洗顔が合っていない可能性があります。
その場合は、牛乳石鹸を用いてみてください。
↑牛乳石鹸良い石鹸♪
これも皮膚科の先生のご指導で、ODAもメインで使っていますが、
タオルを使わない場合は、泡が無く、洗いにくいので使用は難しいかもしれません・・・。。
大切なことは、皮膚を傷つけない、刺激が少ない物を用いて大切に肌を磨くということですね!
ケミカルピーリング
もう一つのピーリングの手段として、ケミカルピーリングというのがあります。
専用の薬品で、化学的に皮膚をピーリングするというものです。
基本的には、専門医のところで実施していただくのが良いかと思いますが、
実はビタミンの中に、肌のターンオーバーを促進してくれるものがあります。
それが、ビタミンAで、別名レチノールです。
そのため、レチノールが入った石鹸等での洗浄は、ケミカルピーリングといえます。
↑ビタミンA(レチノール)の力でケミカルピーリング!
ただ、注意をしていただきたいのは、レチノール自体には皮膚刺激性があるということです。
そして、皮膚のターンオーバー促進後は乾燥しやすく、
また化粧のノリが悪くなるというお話もあるので、
大事なイベントの直前にはあまり実施しないほうが良いかもしれません。
レチノールはターンオーバーを促進して、古い角質を取り除きやすくしてくれますが、
皮膚にダメージを与える可能性もあるので、使用してみて、
合わないなと感じたら、すぐに使用をやめて、皮膚科を受診されるようにしてください。
クレンジングが面倒という方は
クレンジングが十分でないと、そもそも毛穴を塞いでしまう可能性がありますよね。
しかし、日によっては、クレンジングが大変なことも・・・
そんな人にオススメなのが、
↑W洗顔不要で、拭き取り使用も可能なクレンジング剤
時短ケアを叶える洗浄成分が厳選されたクレンジング剤なので、
旅行時でもリビングでも場所を選ばず使用できます。マツエクへの利用も可能です。
香りも良く、使用時にとてもリラックスできるクレンジング剤です。
忙しくても「きれい」を諦めなくても良い癒しクレンジングです!
ビタミンAの経口摂取について
ビタミンAですが、外からではなく、もちろん中からでも効果は見込めます。
しかし、ビタミンAの経口摂取には注意が必要なのです。
ビタミンAは摂りすぎてはいけない
実は、ビタミンAという物質自体には過剰症があるため、摂りすぎてはいけないのですが、
体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンは大丈夫です。
そのため、皮膚のためにビタミンをと考えるのであれば、
β-カロテンの摂取を意識することをお勧めします。
β-カロテン
脂溶性ビタミンに分類される
いわゆる緑黄色野菜に多く含まれているプロビタミン
プロビタミンは身体の中で活性型ビタミンに変換される
β-カロテンはビタミンAへと変換される
ビタミンAは脂溶性で、体外に排出されにくいので過剰症が存在
↑β-カロテンとビタミンE誘導体を含んだサプリメント
野菜をよく食べる人が肌がきれいな理由の一つに、このβ-カロテンも関わっているのです。
しかし、人参やカボチャは過熱をして食べたら甘いように、
多くの糖質を含んでいるので、健康に良いからと言って食べすぎには注意が必要です。
きれいな肌のためにと一生懸命に長年、人参やカボチャを大量に摂取し続けた結果、
老化を促進してしまう糖尿病に至ってしまうのは悲しいので、
色んな食材をバランスよく摂取されることをお勧め致します。
酸化されやすい脂質の摂取量を振り返る
今度は、酸化される脂質に目を向けてみましょう。
脂質には酸化される脂質と酸化されない脂質があります。
酸化されない脂質は、主に飽和脂肪酸と呼ばれ、冷えると固まる性質のある脂質です。
これは、牛脂やラード、カカオバターに多く含まれています。
対して酸化される脂質というのは、分子内に2重結合をもつ不飽和脂肪酸です。
しかし、二重結合が一つだけのオレイン酸等は、比較的酸化されにくいとされています。
オレイン酸(C18H34O2)
酸化ポイントは1か所
だいぶ冷やすと固まる
体内で合成できる
問題は、二重結合を2個以上持つ、多価不飽和脂肪酸です。
いわゆるω-3脂肪酸とω-6脂肪酸です。
ここで、ω-3脂肪酸は、ω-6脂肪酸よりも摂取量が圧倒的に少ない脂肪酸です。
となると、皮膚で酸化される脂質の大部分はω-6脂肪酸ということになります。
ω-6脂肪酸は主にアラキドン酸とリノール酸に分けられますが、
アラキドン酸は細胞膜の構成成分ですので、フリーな状態なのは、
主にリノール酸ということになります。
リノール酸(C18H32O2)
酸化ポイントは2か所
冷えても固まらないが酸化で増粘
体内で合成できない必須脂肪酸
つまり、リノール酸の過剰摂取は、リノール酸の皮脂への分泌量を増加させ、
また酸化されやすいため、本来サラサラであるはずの皮脂がドロドロと粘度があがり、
毛穴の詰まりを引き起こしてニキビの原因になりやすいということです。
リノール酸が過剰だと炎症を起こしやすい
リノール酸は、生体内でアラキドン酸へと変換されやすい脂質です。
アラキドン酸は細胞の壁の構成成分でそのままでは無害ですが、
フリーの状態のアラキドン酸は、アラキドン酸カスケードと呼ばれる一連の反応で、
炎症を引き起こすの生理活性物質へと変換されることが分かっています。
つまり、リノール酸過剰によるニキビは赤く炎症を伴ったニキビになりやすいということです。
チョコーレートでニキビ?
チョコレートはニキビを作りやすいのか否かというお話ですが、
正解は、製品によってそのリスクは異なる!となります。
本来チョコレートは、カカオバターを用いますので、
その主成分はステアリン酸という飽和脂肪酸とオレイン酸になります。
問題は、カカオバターの代わりに、加工した植物油脂を用いたチョコレートです。
この場合、マーガリンもそうですが、リノール酸が混じってきます。
つまり、純粋なチョコレートと代替油脂チョコレートでは、
ニキビのできやすさが違うということです。
アイスにも注意が必要
アイスクリームは、乳脂肪分で表記が異なることをご存じですか?
・アイスクリーム(乳固形分15%以上、うち乳脂肪分8%以上)
・アイスミルク(乳固形分10%以上、うち乳脂肪分3%以上)
・ラクトアイス(乳固形分3%以上)
アイスクリームも実は、植物油脂が使われることがあり、
植物油脂の割合が増えると、表記が変わってしまうのです。
アイスが好きだけれど、ニキビができやすいという方は、ここを見直してみてください。
成分表を見る習慣を
世の中、おいしいものを安く再現するために、かなり植物加工油脂が使われています。
そのため、意外なものに植物油脂が使われていて、
知らないうちにリノール酸の過剰摂取になっていたということがあります。
- ミルクを模したコーヒーフレッシュ
- バターを模したマーガリン
- ラードを模したショートニング
等々
安価なパンや焼き菓子には、マーガリンやショートニングが使われることが多いので、
成分表に植物油脂と書かれていたら、注意が必要であるということを覚えておいてください!
リノール酸は必須脂肪酸ですが、世の中に大量にあふれかえっているので、
皮膚の状態がおかしいなと感じたら、過剰摂取を疑ってみてください。
リノール酸の炎症暴走を抑えるα-リノレン酸
ちなみに、ニキビへの効果は期待薄ですが、
リノール酸の暴走を抑えてくれるのは、ω-3系脂肪酸のα-リノレン酸です。
α-リノレン酸は皮脂に選択的に分泌されることが分かっていて、
皮脂中のリノール酸の炎症暴走を抑えてくれますが、
リノール酸より酸化されやすいので、抗酸化ビタミンの摂取は必須となります。
↑EPAが多めに含まれてているのが特徴です。
EPAも健康には大切なω-3系脂肪酸ですから。
↑ODAが常用しているω-3系のサプリメントで、α-リノレン酸とDHAが多いのが特徴です。
ひどいニキビは専門医の下で医療的治療を
ここまでお伝えさせていただいたのは、軽いニキビや、
ニキビを出したくないというレベルのお話でした。
もうすでに、ひどいニキビが出ている場合は専門の皮膚科の受診をされてください。
ニキビの治療薬アダパレン
皮膚科の治療においては、ケミカルピーリングなど保険適用外のものも多いですが、
アダパレンという成分の外用薬を用いる治療は、保険適応です。
これは、先に述べたビタミンAの強力バージョンのような薬で、
塗布することで、角質層を薄くし、毛穴が蓋をされにくいようにしてくれます。
ニキビの抗生剤治療
ニキビで中の細菌をやっつけるために、抗生剤を用いることもありますが、
中の細菌を薬で減らしても、毛穴の蓋がなくなるわけではありません。
そのため、やはり毛穴の蓋を改善する治療を、
きちんと説明して実施してくれる皮膚科を受診されることが大切かなと思います。
当然、治療の段階として、抗生剤から始めて、
落ち着いたらアダパレンを使っていきましょうとなることもあると思いますので。
そもそも、皮膚の常在菌であるアクネ菌等は、
ほかの細菌等の感染を勢力争いをすることで、防いでくれています。
そのため、むやみやたらと抗生剤で治療というのはオススメ致しません。
主流はアダパレン+過酸化ベンゾイル
今は毛穴の蓋を改善してくれるアダパレンと殺菌作用のある過酸化ベンゾイルが、
両方入った外用薬もあります。
ただ、基本的に医療機関は症状の改善はしてくれますが、
それを防ぐ生活習慣の指導や改善という所までしてくださる所は多くないと思いますので、
治療と並行して、再発をさせないために、
日々の生活習慣・食生活の習慣の見直しも必ず行ってください。
まとめ
- ニキビは毛穴がふさがって皮脂が詰まることで発生する
- 皮脂の酸化を抑制することがニキビ発生の予防につながる
- 毛穴を塞ぐ古い角質をピーリングすることも大切
- β-カロテンの経口摂取で肌のターンオーバーを促進
- ニキビの原因はリノール酸の過剰摂取の可能性
- 本当にひどいニキビは、まず専門の皮膚科を受診すること!
というお話でした。
ニキビは誰もが通る道ですが、そこには原因があったりします。
その原因を理論的に取り除くことで、ニキビの発生確率は、
かなり下げることができるかと思います。
今回はお話に入れませんでしたが、成長期のニキビの場合、
ここにさらに糖質や乳製品が関わってきますので、
ここでのお話を実践しても、ニキビが発生する場合は、
糖質や乳製品の摂りすぎにも注意をされてみてください。
この度は長文をお読みいただきありがとうございました!
もしよろしければ、今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします!
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