アルツハイマー病とは?

アルツハイマー
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目次

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  1. 1.アルツハイマー病とは?
  2. 2.老化と何が違う?
  3. 3.どんな状態なのか?
  4. 4.イメージすると
  5. 5.アルツハイマーの薬って?
  6. 6.最新の薬は?
  7. 7.アルツハイマー病は周りの人達の理解が必要

1.アルツハイマー病とは?

最近、何かと話題になっているアルツハイマー病ですが、
どんな病気か皆さんご存じですか?

アルツハイマー病は、脳のある部分が目立って機能が低下する病気です。
そのある部分というのが、
記憶空間把握能力に関わる、海馬と呼ばれる脳の一部です。

アルツハイマー病というのは、
記憶、つまり記憶媒体としてのハードディスク損傷に近いイメージです。
そのハードディスク損傷がさらに進んでいく感じです。

2.老化と何が違う?

ここで、気にしていただきたいのが、
老化による認知機能の低下との違いです。

老化は、脳の神経伝達が全体的に少しずつ衰えていくので、
色んなことが全体的に少しずつできなくなっていく感じです。

それに対し、アルツハイマー病は特に記憶に関する部分が、
老化とは比にならないスピードで衰えていく感じです。

また空間把握能力も衰えるため、迷子になりやすくなります。
認知症による行方不明届は、
2019年の一年間で日本全国で1万7千人を超えたそうです。

3.どんな状態なのか?

我々は、新しい情報が更新されると、
古い情報の上に書き換えを行いますが、
アルツハイマー病の方は、
更新された新しい情報が消去されて、
上書きされて更新されたはずの古い情報が、
表に出てくる感じのようです。

ただ、新しい記憶が消去されているわけではなく、
スイッチのOn-Offのように、
記憶がつながる時と、繋がらない時があるようです。

これは、海馬アセチルコリンという神経伝達物質が、
向こう側にきちんと届いたか、届かなかったかで変わるようです。

4.イメージすると

イメージとしては、アセチルコリンというボールを、
谷を挟んで、向こう側に投げているイメージです。
谷をうまく越えれば、情報が伝わって、記憶がよみがえるし、
届かなければ、記憶が上手く引き出せない。

アルツハイマー病は、このアセチルコリンというボールの
投げ手が、著しく減る病気です。

例えば、我々が1000人の投げ手がいるとして、
そのうちの500球が向こう側に届くとします。

アルツハイマー病はこの投げ手が、
500人や100人に、老化より早いスピードで減ってしまうのです。
つまり、向こう側に届くボールの数が、
250球や50球に減ってしまうのです。

そして、残酷ですが、減ってしまった投げ手は復活することはありません…

5.アルツハイマーの薬って?

ですが、1996年に製薬会社のエーザイさんが、
画期的な薬を世に出しました。
ドネペジル(アリセプト)です。

この薬は何をしてくれるかというと、
谷の向こう側に届くボールの数を増やしてくれるのです。

500人で投げた時に、向こう側に届くのが250球だといいましたが、
この250球を、300球、350球へと増やしてくれる薬なのです。

これは、実はアセチルコリンというボールを、
途中で捕まえてくる、お邪魔虫がいて、
ドネペジルは、このお邪魔虫を上手く抑えてくれる薬なのです。

なので、投げ手がある程度いてくれれば、
この薬で症状が良くなるのです。

ですが、投げ手が著しく減った場合は、
ご想像の通りに効果は期待できません…

6.最新の薬は?

この投げ手の減少を止める薬は今までなかったのですが、
2021年6月に、この投げ手の減少を止める可能性のあるエーザイさんの薬が
FDA(アメリカ食品医薬品局)で承認されました。

実はアルツハイマー病というのは、20年くらいかけて、
じわじわと進行していく病気であることが分かっています。

なので、もし発症の10年前にその進行予防の薬を投与できれば、
10年後アルツハイマー病の発症を抑えて、
その先どんどんと進んでいく症状を抑えられる可能性があるのです。

7.アルツハイマー病は周りの人達の理解が必要

そんなアルツハイマー病ですが、
一番難しいのは、実はご本人と周りの人たちとのギャップです。

アルツハイマー病は、記憶が混同する病気ですが、
ご本人自身はいたって普通なのです。
普通のつもりなのです。

でも周りの人達は、違いを感じ取ります。
場合によっては、イラ立ち、それをご本人にぶつけたりします。

イラ立ちをぶつけられたご本人はさらに困惑します。
そして場合によっては、精神的ダメージを負ったりします。

つまり、周りにアルツハイマー病の方がいると分かった時には、
ご本人の治療も大切ですが、
周りの人たちの理解と寛容さが一番必要になってきます。

そのことをぜひ覚えておいていただければと思います。

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ODA 未来を創る薬剤師未来を創る薬剤師
メカニズム解明が大好きな薬剤師。もと有機化学の研究者。10年ほど現場の薬剤師と管理職を経験。病気等のメカニズムを分かりやすく伝えようと奮闘中!趣味は食べ物や化粧品の成分を考察すること。運動はするけれど、ある物が原因で脂肪肝・・・