目次
目次
- 1.血圧の上と下って?
- 2.血圧が高い状態とは?
- 3.下の血圧が高くなる理由
- 4.血液の体積が増える?
- 5.一度増えたら、それを維持しようとする
- 6.昔の日本で脳卒中が多かった理由
- 7.高血圧は大切な臓器に負担をかける
1.血圧の上と下って?
血圧って気になりますよね。
温泉やスーパー銭湯で無料で測れると、
思わず測ってしまう人が多いのではないかと思います。
私もその一人です。
血圧というと、上の血圧が注目されがちで、
150超えたとか、180だったとかよく聞きますが、
下の血圧を意識したことはありますか?
いわゆる下の血圧は、拡張期血圧と呼ばれます。
何が拡張しているかというと、心臓です。
つまり、拡張期血圧とは、心臓が大きくなった状態の血圧です。
ちなみに、上の血圧は、収縮期血圧と呼ばれます。
心臓が収縮して、押し出している時の血圧ですね。
なので、拡張期血圧というのは、
心臓が全身の血液を引っ張りこんだ状態です。
2.血圧が高い状態とは?
上の血圧が高いというのは、
どこか血液の流れが悪くて、
心臓が頑張って押し出そうとするから高いというのは、
イメージしやすいですね。
では、下の血圧が高いというのはイメージできるでしょうか?
3.下の血圧が高くなる理由
下の血圧が高くなることは、大きく二つ考えることができます。
①心臓が十分に膨らまなくなった
➁心臓の許容量よりも、血液の体積が多くなった
①の場合は、心臓の機能不全、つまり心不全の状態ですね。
これは、一刻も早い治療が必要ですが、
膨らまなくなった心臓を、膨らむように戻すことは至難の業です。
4.血液の体積が増える?
➁の場合は、どういう状態でしょうか?
人間の体は、血液と各臓器の間で、
血液という水を介して栄養や酸素のやり取りをしています。
その時に、つかう水門がありますが、
この水門はいわゆる塩分でコントロールされています。
塩分の濃度勾配を用いて、浸透圧で水のやり取りをするんですね。
なので、人間の体は塩分濃度を必ず一定にしようとします。
でないと、うまく水分のやり取りができずに死んでしまうからです。
このように恒に一定の状態を保とうとすることを、
恒常性と言います。
では、体に過剰な塩分が入ってきた場合はどうなるでしょうか?
血液の塩分濃度を一定に保とうとする恒常性が働くため、
外部から集めた水で薄めようとします。
つまり、血液の体積が増えます。
時々であれば、塩分と共に水を排泄して、
元通りになるでしょうが、
この状態がずっと続くとどうでしょうか?
5.一度増えたら、それを維持しようとする
体積の増加と共に、血液中の塩分以外の大切な成分も
同じ濃度となるように増量されます。
他の必要な成分も増量されたとなると、
今度は、それらの成分が濃くなりすぎないように、
血液の体積を維持しようとする恒常性が働きます。
つまり、摂取する塩分を短期間減らしても、
血液の体積が減らなくなります。
この時に、血圧を測るとどうなるでしょうか??
心臓が一生懸命膨らんでも、
引っ張りこみ切れないくらい血液の体積が増えていれば、
下の血圧が高くなるはずです。
上の血圧も、当然同じように高くなりますよね。
これが、塩分と血圧の関係です。
6.昔の日本で脳卒中が多かった理由
昔の日本人は、塩分過多で血圧が高くて、
脳卒中が多いとお話しました。
血液の体積が増えた状態で、
心臓が普通に頑張っていれば、
それは、血管の弱い所が破れやすくなりますよね。
さらに、塩分と同じように、
上と下の血圧を上げる物があります。
それは、ニコチンです。
ニコチンには、血管の収縮作用があります。
ということは、本来血管が引き受けてくれている、
血液の体積が、ニコチンの摂取により、
血管全体のキャパシティが小さくなりますよね。
すると、心臓が引き受ける血液の体積が増えるので、
結果、血圧が上昇することが容易に想像できますね。
高塩分 + ニコチン = 血管が破れる
という公式が成り立ちます。
7.高血圧は大切な臓器に負担をかける
ちなみに心臓に負荷がかかり続けていることや、
血流と受け止め続ける腎臓への負荷を
忘れてはいけません。
最近、患者さんで下の血圧が高い人にヒアリングしてみると、
ラーメンが好きで、喫煙をされている方が多いです。
女性では、スナック菓子がお好きという方もいらっしゃいました。
なので、下の血圧が75-80を超えてらっしゃる方は、
塩分とニコチンに心当たりがないか、チェックしてみてください。
心当たりがなければ、ホルモンの分泌異常の病気の可能性があるので、
それはそれで、すぐに受診をされてください。
ちなみに、薬は血圧の数値を下げてはくれますが、
多くなった血液の体積を減らしてくれるわけではありません。
このことに留意しながら、
美味しいものを食べて、人生を謳歌しましょう!
気になること、分からないことがあれば、
気軽にコメントしてください。
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